iTT - 国際ツーリズムトレードショー
2025/6/25(水)-27(金)
2024年11月15日

【注目記事】自治体・観光プロモーションの事例を公開!

~コンテンツ例や施策をご紹介~

日本の観光産業は、多様な文化や自然を背景に発展してきました。
温泉、和食、お祭り、伝統工芸など、日本の観光・文化資源は世界的に見ても豊富で、高い評価を得ています。
これらの資源は各地域の宝であり、地域経済を支える重要な柱です。
また、観光客を誘致することは、地域ビジネスを活性化させ、雇用を生み出すために欠かせない施策です。

しかし、観光客は主に有名な観光地に集中しているため、地域によって観光の偏りが生じています。課題はそれだけに止まらず、人口減少や高齢化などといった前からある地域課題を解消したいと考えている団体も少なくありません。プロモーション予算が限られていたり、効果的な情報発信が難しかったりするなど、問題に直面しています。

本記事では、観光プロモーションにおける主な課題に触れていきながら、展示会に参加した自治体・地域の取り組み事例を紹介します。

目次

観光プロモーションの課題とは
各自治体・地域の事例
 ・地域のウェルネス(島根県、高知県 室戸市)
 ・リトリート推進(群馬県、奥会津地域)
 ・ワーケーション / 企業研修 誘致(沖縄県、千葉県庁)
観光活性化のために できること

観光プロモーションの課題とは

地域によって観光課題は様々ですが、ここでは主な課題点をいくつか挙げていきます。
 

・観光資源を上手く活用できていない
各地域の良さを語るうえで欠かせないのが、何といっても観光資源です。その土地の特性や魅力を理解していても、プロモーションの一環で十分に活用できていないケースがあります。また、効果的な情報発信ができていなければ、これから観光先を考えている人の目に届かないという場合もあります。
 

・予算の制約
限られた予算の中で効果的なプロモーションを行わないといけない場合、広告費やイベント活動費用に十分な資金を確保できない場合があります。特に、団体によっては資金調達が大きな壁となり、広報活動が後回しにされることも少なくありません。
 

・競争の激化
他地域との差別化を図ることが求められている中、独自の魅力を効果的に伝える手段が不足しており、他地域に埋もれてしまうリスクがあります。また、隣接する地域との連携や差別化が効果的に行われていないと、観光客が流出してしまう原因にもなります。
 

・ターゲット層の特定とアプローチの難しさ
観光客のニーズや嗜好は多様化していますが、各地域の観光資源の特性にあったターゲット層を特定することが難しい状況もあります。若年層、家族連れ、高齢者など、各層にあわせたアプローチが求められた時、どの層に焦点を当てるべきか判断が難航することがあります。ターゲット層が定まらないことには、メッセージが薄まったり、期待する反響を得られないことが多々あります。
 

・情報発信&デジタルマーケティングの活用不足
デジタル化が進む現代において、オンラインで情報収集をする人は国内外問わずスタンダードになりつつあります。しかし、多くの自治体・観光協会では、ウェブサイトやSNSの運用が不十分であるため、若い世代やインバウンド観光客にアプローチができていないという事象も発生しています。特に、SNS活用において課題となっているのは、効果的なコンテンツ制作と、フォロワーとのコミュニケーション不足が課題となっています。
 

・持続可能性の欠如
観光業が発展することにより、その地域の環境に影響を与える可能性も無視してはならないでしょう。訪問者の増加による自然環境の負荷や地域住民と生じる摩擦など、持続可能な観光業を目指すためには、切っても切り離せない問題です。持続可能な観光業を目指すためには、地域資源を守りつつ、観光客を迎えるバランスが求められます。

各自治体・地域の事例をご紹介

さて。ここまで課題を深堀りしていきましたが、各自治体・地域はどのような活動をしているのでしょうか。
この章では、今年2024年5月に開催した展示会「国際 ウェルネスツーリズム EXPO」に出展した自治体・地域の事例を写真と共にご紹介します。


地域のウェルネス

◆ 島根県

【PRポイント】

ご縁も、美肌も、しまねから。

ストレス社会を生きる私たちにとって、歴史・文化が息づく”はじまりの地”島根への旅は、旅本来の価値を再認識し、四季、自然、温泉、伝統文化に紐づく豊かな日本のウェルネス資源に触れるチャンスです。五感を研ぎ澄ましながら、自分自身にゆっくりと向き合う時間を過ごす「原点回帰」の旅として、素晴らしい体験になります。”ウェルネスで紐解く「ご縁旅」×「美肌旅」”をテーマにしたブースにしました。
 

【出展理由】

国外でウェルネスツーリズムのムーブメントが起きている中で、島根県が持っている”ご縁と美肌”をテーマにしたコンテンツは親和性があると思いました。また、ビジネスパートナーを開拓するためでもあります。
 

【感想】

今までBtoC向けの展示会で直接観光客に来てもらう取り組みしかしてこなかったのですが、今回初めてBtoB向け展示会に参加したことで、業界とのつながりを活かし、新たなPRができると感じました。
ウェルネスツーリズムというキーワードが国内でどの程度浸透しているか不明瞭ではありましたが、具体的なコンテンツを探しにきている来場者が多くいらっしゃいました。取り扱っているプランを詳細に説明したことで、来場者の方に満足してもらえたのを実感しています。


◆ 高知県 室戸市

【PRポイント】

心も身体も自然と癒される、明日へのエネルギーを満たす旅。

室戸市は四国の右下に位置し、V字型に突出した室戸岬を中心に53.3㎞の海岸線を有し、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。 市全体でウェルネス町づくりに取組んでおり、海洋深層水のプールや浜ストレッチなどここでしかできない体験を準備しています。 年間を通して温暖で、金目鯛、海洋深層水、かんきつ類を筆頭に食材や自然資源が豊富にあることや、空海悟りの地でもあり、パワースポットも点在しています。

 

【出展理由】

目的:高知県室戸市の観光情報の発信

行っていること:
・ウェルネスツーリズム・サスティナブルツーリズムへの取り組み
・体験事業の造成補助
・季節イベントの開催
・宿泊施設へのワーケーション支援


リトリート推進

◆ 群馬県

【PRポイント】

癒やしの「温泉」、豊かな「自然」、新鮮な「食」。心と身体を癒すぜいたくな環境が整っている群馬県が、新たな旅の過ごし方【リトリート】を提案します! 県内の宿泊施設では、日常から離れ、自然の中で心と身体をリセットする【リトリートぐんま】プランを販売中です。 ちょっと疲れたなという時や、心をスッキリさせたい時。ぜひ群馬県でゆったりと過ごすリトリート旅にお出かけください。

 

【事業内容】

気軽に非日常を感じながら、自然に包まれゆったりとした時間を過ごす中で、心と身体をリセットし、新たな気持ちで日常に戻れるリトリート旅を提案していきます。

<プラン内容>
・ゆる断食で五感が目覚める リトリートプラン
・四万温泉と森林に癒やされる ゆったりリトリートプラン
・2泊で体験!みなかみ温泉で16時間断食キックオフプラン
・朝ヨガで心も身体もスッキリ リフレッシュプラン
・草津の上質な温泉と豊かな自然でゆったりリトリートプラン
・四万温泉と森林に癒やされるゆったりリトリートプラン
・自然豊かな老神温泉でゆったり温泉満喫プラン
・漢方×香りでととのう贅沢時間を体験できるリトリートプラン
 

【出展理由】

群馬県がPRしている「リトリート」で獲得したい客層が、ウェルネスツーリズムとの親和性が高いため
 

【感想】

旅行会社やメディア、トラベルインフルエンサーなど、会いたい客層と会えた3日間でした。打ち出していこうと考えているリトリートプランに関して様々な意見・アドバイスをいただき、大変参考になりました。実は出展した当時、制作途中のプランを展示していましたが、取り扱いをしたいという前向きなお声をいただき、確かな手ごたえを感じました。

●  出展企業 関連記事

リトリートぐんま ~温泉&自然&食のバラエティー豊かな環境で、心と体を解き放つ3泊4日~


◆ 奥会津地域

【PRポイント】

福島県奥会津の自然と共に息づくリトリート体験、【奥会津チルトリート】。 広葉樹の四季彩は美しく、風光明媚な里山の原風景は季節ごと表情を変えます。大規模な交通機能やリゾート等の開発と無縁であった為、原風景は守られ、伝統文化が継承されています。奥会津の自然/里山文化とスローなライフスタイルを資源に、Chill「まったり過ごす」、Retreat「心身を癒す滞在」をテーマとしたプログラムを提供します。

 

【事業内容】

福島県奥会津の認知度向上、関係人口創出、産業創出、地域の暮らしの利便向上等を目的に、各事業を実施しています。①ウェルネス、リトリートを軸としたツーリズム事業、②商品プロデュース及び運営、③チームビルディング研修 等。

具体的には4つのコンテンツに分類しています。

1.森林資源、⒉地域産業、⒊⽣活⽂化、⒋ウェルネス


ワーケーション / 企業研修 誘致

◆ 沖縄県

【PRポイント】

沖縄県が、沖縄でのワーケーション体験を全面バックアップ! 沖縄県の青い海、青い空の下、ワーケーションで仕事も休暇も充実させましょう!

 

【事業内容】

季節に合わせた沖縄が満喫できる3つのコンテンツから、好きなワーケーション体験を選べます。 渡航費、滞在費を含む費用の最大1/2を沖縄県から補助いたします。

 

【出展理由】

平日利用 活性化のために、今まで以上に「沖縄県=ワーケーション」のPRを促進するため
 

【感想】

企業の健康経営・福利厚生でワーケーションを検討している方からの問い合わせが複数ありました。また、明確な目的・課題を持った方が来場しているため、具体的な商談もできた3日間でした。ウェルネスに関心のある方が多く来場すると聞いたため出展を決めたが、想像以上の効果があり 出展して良かったと思っています。


◆ 千葉県庁

【PRポイント】

首都圏にありながら豊かな緑と海に囲まれ、風光明媚で温暖な千葉県。新鮮な山の幸や海の幸のグルメ、マリンスポーツや観光だけでなくワーケーションとしてしっかり仕事ができる環境があります。都内からおよそ1~2時間で来れるアクセス良好な千葉県の、ここでしか味わえないワーケーション合宿プログラムについてご紹介します。

 

【事業内容】

首都圏にありながら風光明媚で温暖な本県は、ワーケーション導入を検討している企業とのマッチングを促進するため、イベントへの出展やホームページなどにより、本県ならではの魅力を総合的に情報発信しています。 受入れ施設への補助金に加え、今年度新たに、ワーケーションを実施する企業への経費の助成制度を開始しました。

●首都圏で実現する 非日常環境での企業合宿・研修
●ちばワーケーション実施企業 助成事業

ワーケーションの実施に関心を有する企業などを対象に実施。

「都内から電車やバスで気軽に行ける / 近いから費用も抑えられる / 一泊から助成対象(条件あり)/合宿型の会議や研修に最適」というキーワードで募集を打ち出している

観光活性化のために できること

観光プロモーションは、地域の魅力を発信し、地域経済を活性化させるための重要な手段です。

そのためにも今後は、ターゲット層をより正確に特定し、そのニーズに応じたプロモーションを行うことが重要になってきます。ターゲットが明確になることで、地域特性を活かした独自のコンテンツ制作や、他の地域・業界とのコラボレーションにより生み出される相乗効果なども得られるでしょう。


観光プロモーションを行う前に、下記確認が必要です。

●ターゲットのリサーチ・選定
●ターゲットに合わせた媒体選定(例:ウェブサイトやSNSの活用、雑誌・新聞への出稿、イベント参加など)
●設定したターゲットと打ち出したい魅力、媒体がマッチしているか確認

 

その上で、観光プロモーションが上手くいっている地域は、下記の様な特長が見られます。

●ターゲットにより アプローチ方法を変えている
●新規客やリピーターを増やす施策を考え、打ち出している
●新しい観光・体験コンテンツを造りだそうとしている

 

尚、展示会場は旅行会社・メディアにPRできる事はもちろん、具体的な観光プランの提案や業務提携に繋がります。海外来場者も積極的に誘致しており、インバウンド需要にも繋がるのも特徴です。

その他にも、多くの自治体・団体が出展するため、業界内の人脈形成・ネットワーク強化にも繋がります。今後に向けたヒントを得られるかもしれません。ご興味ある方は、下記よりお問い合わせください。

展示会に関する情報

第3回 [国際]ウェルネスツーリズム EXPO
会期: 2025年6月25日(水)~27日(金)
会場: 東京ビッグサイト
主催: RX Japan株式会社
同時開催展:  第2回 観光DX・マーケティングEXPO

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