iTT - 国際ツーリズムトレードショー
2025/6/25(水)-27(金)
2024年10月08日

DXが変える、これからの観光・宿泊業界

~自治体・宿泊施設などが抱える課題と、課題解決に繋がるテクノロジーとは~

観光・宿泊業界は、今、大きな転換期を迎えています。

近年よく耳にする人手不足は、かなり深刻化しています。特に、地方の観光地では、若年層の流出や高齢化が進み、人材確保が困難な状況です。また、競合の増加により、より多くの観光客を誘致するための差別化が求められています。さらに、顧客のニーズは多様化しており、個性的な体験を求める声が高まっています。

業界の構造は大きく変わりつつあり、観光事業者は生き残りをかけ、新たなビジネスモデルの構築を迫られているのです。

この危機を乗り越えるために昨今注目を集めているのが、観光・宿泊DX(デジタルトランスフォーメーション)です。多くの観光事業者は、オンライン化や非接触サービスの導入など、デジタル化への取り組みを加速させたいという動きが強まっています。

この記事では、観光・宿泊従事者の課題と、その解決手段として有効なDXソリューションを見ていきたいと思います。

目次

観光・宿泊従事者が抱える3つの課題とDXによる解決策
 1)人手不足と業務の効率化
 2)オーバーツーリズムと持続可能な観光
 3)顧客ニーズの多様化と顧客体験の向上
観光・宿泊DXの最前線に触れ、ビジネスチャンスを広げよう
 今年5月に開催した展示会に、多くのソリューションが出展
 展示会で できること

観光・宿泊従事者が抱える3つの課題とDXによる解決策

観光・宿泊業界は、近年、様々な課題に直面しています。

そのなかでも、深刻な人手不足、オーバーツーリズム、顧客ニーズの多様化は多くの観光・宿泊事業者が抱える課題であり、早急な対応が求められています。

観光DXは、これらの課題をどう解決できるのか。実際のそれぞれの課題について、詳しく見ていきましょう。


人手不足と業務の効率化

観光・宿泊業界における最大の課題の一つが、深刻な人手不足です。

厚生労働省「職業安定業務統計」によると、2022年時点で宿泊業関連分野の有効求人倍率は4倍前後で、全産業平均の1.67倍を大きく上回っています。※

この人手不足は、以下のような問題を引き起こしています:

  1. サービスの質の低下
  2. 従業員の過重労働
  3. 新規事業展開の遅れ
  4. 経営の圧迫

例えば、ホテルでは予約管理、チェックイン・チェックアウト、客室清掃、食事の提供など、多岐にわたる業務があります。これらの業務の多くが人手に頼っているため、人材が不足すると迅速かつ質の高いサービスの提供が困難になります。

これらの課題に対し解決策として期待される主なソリューション内容は下記の通りです:

  1. AI・IoTを活用した業務の自動化:
    AIチャットボットによる24時間対応の顧客サービスや、IoTセンサーを利用した客室の管理・清掃効率化などで業務を自動化する など
  2. クラウドベースの統合管理システム:
    予約管理、在庫管理、顧客管理などを一元化し、業務プロセスを効率化する など
  3. ロボットの導入:
    案内や荷物運搬、清掃などの業務にロボットを活用することで、人手不足を補う など

これらの技術を導入することで、人手不足の解消と業務の効率化を同時に実現し、サービスの質を維持・向上させることが可能になります。

※出典:日本銀行 金融機構局「観光産業の現状と課題」より
https://www.boj.or.jp/finsys/c_aft/data/aft230928a1.pdf


オーバーツーリズムと持続可能な観光

特定の観光地に観光客が集中することによって引き起こされる「オーバーツーリズム」。

国連世界観光機関(UNWTO)の定義によると、オーバーツーリズムとは「観光地の質を低下させ、地域住民の生活の質に悪影響を与えるほど、観光客が殺到している状態」を指します。

日本でも、京都や鎌倉などの人気観光地で以下のような問題が報告されています:

  1. 交通渋滞の増加
  2. 公共交通機関の混雑
  3. ごみ問題の深刻化
  4. 地域住民の生活環境の悪化
  5. 文化財や自然環境への悪影響

これらの問題は、観光地の魅力を損ない、長期的には観光産業自体の持続可能性を脅かす可能性があります。

観光・宿泊DXは、このオーバーツーリズムの問題に対して、以下のようなソリューションが該当します:

  1. ビッグデータ分析による 観光客の分散:
    過去の観光データやSNSデータを分析し、混雑が予想される時期や場所を予測。その情報を基に、観光客を時間的・空間的に分散させる
  2. スマートチケッティングシステム:
    人気観光スポットの入場を予約制にし、来訪者数をコントロールすることで混雑を緩和する
  3. AR/VRを活用した新しい観光体験:
    実際に訪れなくても観光地の魅力を体験できるバーチャルツアーを提供することで、物理的な観光客の集中を緩和する
  4. MaaSの導入:
    複数の交通手段を最適に組み合わせて提案するMaaS(Mobility as a Service)を導入し、観光客の移動を効率化することで、交通渋滞を緩和させる

これらの技術を活用することで、観光客の満足度を維持しつつ、地域社会と環境への負荷を軽減し、持続可能な観光を実現することが可能になります。


顧客ニーズの多様化と顧客体験の向上

観光・宿泊業界におけるもう一つの大きな課題が、顧客ニーズの多様化への対応です。

インターネットやSNSの普及により、旅行者の情報収集手段や旅行スタイルが大きく変化しています。観光庁の「旅行・観光消費動向調査」によると、団体旅行から個人旅行へのシフトは年々顕著になっています。

次のようなニーズに、観光・宿泊事業者は応えられるでしょうか。

  1. カスタマイズされたサービスの提供
  2. リアルタイムな情報提供
  3. 旅行体験のシームレス化
  4. 地域の特色を活かした体験型観光の提案

旅行者は自分の興味や好みに合わせたカスタマイズされた旅行プランを求めるようになっています。また、SNSでシェアできるような「SNS映え」するスポットや、地域の文化を深く体験できるアクティビティへの関心も高まっています。

観光・宿泊DXは、これらの多様化するニーズに対して、以下のようなソリューションが活躍するでしょう:

  1. AIを活用した パーソナライズ推薦:
    過去の旅行履歴やSNSでの行動データなどを分析し、個々の旅行者に最適な観光スポットや宿泊施設を推薦するシステムを構築
  2. モバイルアプリを活用したリアルタイム情報提供:
    観光地の混雑状況やイベント情報、交通情報などをリアルタイムで提供し、旅行者の意思決定をサポート
  3. 顔認証技術を用いたシームレスな体験:
    ホテルのチェックインや観光施設の入場など、様々な場面で顔認証技術を活用することで、ストレスフリーな旅行体験を提供
  4. AR/VRを活用した没入型観光体験:
    歴史的建造物の過去の姿をARで再現したり、VRで地域の伝統工芸を体験したりできるようにするなど、新しい形の観光体験を創出

これらの技術を活用することで、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、個々の旅行者にとって価値のある、満足度の高い旅行体験を提供することが可能になります。

観光・宿泊DXの最前線に触れ、ビジネスチャンスを広げよう

さて、ここまで読んでいただいた方には観光・宿泊業界の課題感が分かっていただけたと思います。

しかし、課題は認識したものの、自社の製品・サービスを観光・宿泊DXとどのようにリンクさせたらいいのかわからない。観光・宿泊業向けにDXを促進するためには、どのようなアクションを取れば良いのだろう――。このように感じている方もいるのではないでしょうか。
 

このようなお悩みを持つ事業者の方は、「観光DX・マーケティングEXPO」への出展や訪問検討がオススメです。

この展示会は業界の最新トレンドを把握し、ビジネスチャンスを広げる絶好の機会です。展示会場では、最新の技術やサービスを直接PRできるだけでなく、業界の専門家や他の企業との交流の場にもなります。展示会で得られる情報や人脈は、今後のビジネスに大きな影響を与えるでしょう。まだ立ち上がったばかりの展示会ですが、今後需要がある分野として業界関係者からも注目されています。
 

<展示会で得られるメリット>

●  最新トレンドの把握:
業界の最新トレンドや注目の技術が一堂に会します。これらに触れることで、自社のサービスをどのように進化させていくべきか、新たなビジネスアイデアを得られるでしょう。

●  潜在顧客との出会いの場:
自社のサービスに関心の高い企業や団体と直接出会える場です。新たなビジネスパートナーを見つけたり、販路を開拓したりするチャンスとなります。

●  競合他社の動向分析:
競合他社の製品やサービスを比較検討し、自社の強みと弱みを把握することができます。競合との差別化を図り、自社の競争力を高めるために役立ちます。

 

ここでは、自治体・観光協会・宿泊施設などの関係者が来場するBtoB向けの商談展示会「観光DX・マーケティングEXPO」について、触れていきます。


今年5月に開催した展示会に、多くのソリューションが出展

観光DX・マーケティングEXPOは、全国の宿泊・観光事業者と商談ができる展示会です。

人手不足・インバウンド対策から誘客・周遊促進、施設の高付加価値に繋がるコンテンツまで、観光・宿泊業界の課題を解決するソリューションを持った企業が多く出展します。

出展社にとって展示会場は自社サービスのPR・提案の場であることはもちろん、業務提携や見積もりの相談に繋がります。システム導入の打合せもその場でできるのが特徴です。

どのような企業が集まったのか、一部ご紹介します。

<DX編>

株式会社JTB

地域の観光DXを実現!観光ビジネスを中心に、各サービス分野と連携した地域でのデジタルビジネスの創造を支援し、持続可能な地域社会の発展へ繋げます。

株式会社 陣屋コネクト

地域が一体となったおもてなしを実現する、地域観光DXプラットフォームと、クラウド型 旅館・ホテル一元管理システムを提供しています。
 

株式会社MEBUKU

音声ガイドやデジタルスタンプラリーなど、複数プロダクトを展開。インバウンド・人手不足対策、周遊促進、地域の魅力再発見などの課題をサポートします。


メディアリンク株式会社

電話対応のお悩みをゼロにする自動応答サービス。電話対応の取次ぎ・不要な営業電話の受電・電話が取れないことによる機会損失をゼロにします。
 

株式会社テラモト

インパクトのある告知で集客UPしたい方や効率よく利用者を誘導したい方にお勧めのオリジナルサイン。オーバーツーリズム対策にも効果が期待できます。

株式会社アイモバイル

インフルエンサーなどを起用した自治体/施設紹介ができるプラットフォームと、ふるさと納税で旅行に行ける「ふるなびトラベル」を提供しています。
 

<インバウンド・人手不足対策・省人化ロボット編>

株式会社ナビタイムジャパン

ナビゲーションやデータ分析、経路プランニングのプラットフォーム提供など、「移動」を軸としたサービスを展開しています。インバウンド向け・日本人観光向けで対応。

株式会社こんにちハロー

生成AI+人による他言語動画翻訳。あなたの話す動画を、あなたの声のまま、ネイティブな発音で他言語に翻訳する新サービスです。CMSによるLP他言語化サービスも提供しています。

株式会社キュリネス

中華圏に特化したコンシェルジュ接客支援サービスで、全てのインバウンドに対応。接客業務を総合的にサポートするデジタルコンシェルジュ・サービスです。


アルプスシステムインテグレーション
株式会社

AI導入のリモート受付・接客サービスを展示。多種多様な外国人旅行者の相談対応、夜間の応対窓口から有事の際の緊急案内板まで、1台で複数用途に使えます。


株式会社 Fujitaka

インパクトのある告知で集客UPしたい方や効率よく利用者を誘導したい方にお勧めのオリジナルサイン。オーバーツーリズム対策にも効果が期待できます。


アイグッズ株式会社

ホテルの人手不足を解決するサービスロボットを複数ご紹介。配膳ロボットだけでなく、使用シーン別に選べる清掃ロボットもあるため、最適な製品を選べます。

<VR・ARなど その他>

株式会社コンセント

視覚や聴覚を360度使って臨場感を提供できるVR映像で、事前にその場所を訪れたような感覚を提供。「実際に行きたい・見てみたい」という本能を引き出します。

株式会社 palan

ブラウザで観光ARマップをどなたでも簡単に作成できるサービス。観光客はアプリダウンロードの必要がなく、1つの地図から複数のAR観光スポットを楽しめます。

株式会社ドローンショー・ジャパン

ドローンショーの制作・実施だけでなく、現地調査、各種許認可申請などの全工程をサポート。花火大会やお祭り、自治体イベントも数多く手掛けています。

展示会で できること

展示会に出展することで、自社サービスの認知度向上やビジネスチャンス・マーケットシェア拡大につながります。

  • 潜在顧客との出会いの場:
    展示会は、自社のサービスに関心の高い企業や団体と直接出会える場です。新たなビジネスパートナーを見つけたり、顧客を開拓したりするチャンスとなります。
  • 自社サービスの認知度向上:
    展示会は、自社サービスを広く世の中にアピールする絶好の機会です。多くの来場者に自社のサービスを知ってもらい、興味を持ってもらいましょう。
  • ビジネスパートナーとの連携:
    展示会では、様々な企業や団体との交流を通じて、新たなビジネスパートナーを発掘できます。共同でプロジェクトを進めたり、新しいビジネスモデルを構築したりするきっかけとなるでしょう。

出展した企業からは下記のような声が届きました。

  • 3日間通じて、リード数は目標の倍を獲得。狙っていた自治体・観光協会・DMOとしっかり商談できた。次回は規模を大きくして出展する。
    (出展製品:自治体向け観光コンテンツ)
  • 宿泊業者の他にも、DMOや観光協会などの予想していなかった角度からの引き合いも多く、新たなビジネスチャンスを感じている。
    (出展製品:キャンセル料回収サービス)
  • 新規顧客獲得のために出展したが、想像以上の数と質の高い獲得ができた。新サービスのリリースタイミングでもあり、ブランディングにも貢献できたと実感。
    (出展製品:コミュニケーションツール)
  • 大手だけでなく中小規模の旅館・ホテルの方々と名刺交換ができた。同種の展示会に出展したことあるが、この展示会が最も多かった。
    (出展製品:旅館/店舗の生産性向上、DX推進)
  • 3日間通じて、800以上のリードを獲得。ブース設営により、常にブースに人が立ち入って体験してくれたので、PR効果も絶大だった。
    (出展製品:VR、デジタル活用支援)

…など
 

デジタル技術の導入により、観光・宿泊業は従来の形態から大きく進化し、より効率的で魅力的な産業へと変貌を遂げつつあります。来場する企業・団体の皆様には、こうした技術トレンドを自社サービスにどう取り入れられるかを、ぜひ検討していただきたいものです。

観光・宿泊DXの最前線に触れ、新たなビジネスチャンスを広げたいとお考えの企業様は、ぜひ展示会への出展をご検討ください。
 

詳細はこちら

展示会に関する情報

第2回 観光DX・マーケティング EXPO
会期: 2025年6月25日(水)~27日(金)
会場: 東京ビッグサイト
主催: RX Japan株式会社
同時開催展:  第3回 [国際] ウェルネスツーリズムEXPO

▼この記事をSNSでシェアする