福島県奥会津の自然のなかでまったりと心身を癒す

~奥会津チルトリート / Chill to Retreat~

 

「奥会津」という地域をご存じでしょうか。

福島県の南西部に位置する只見川流域、伊南川流域の7市町村、「柳津町」「三島町」「金山町」「昭和村」「只見町」「南会津町」「檜枝岐村」の総称です。

越後山脈に接する急峻な山々に囲まれたこの地域には豊かな森が広がり、只見川や伊南川の清流が美しい景観を作り出しています。

地域の歴史は縄文時代に遡り、古からの伝統文化や技術が継承され、
自然・人・文化・固有の精神性から成り立つ「いとなみ」が現在でも息づいている日本でも数少ない地域です。

自然の美しさと伝統的な文化、里山の暮らしによって育まれてきた「日常」が残る奥会津は、都会の喧騒から離れ、自分を静かに見つめ直したいあなたへうってつけ
東京・浅草から南会津町にある会津田島駅までは直通の特急電車が出ており、週末旅行も楽しめます。

この記事では、奥会津の魅力を余すことなくお伝えします。

●目次

奥会津ってどんなところ?

(写真出典:https://okuaizu.net/

奥会津は、福島県北西部に位置する7つの市町村(柳津町、三島町、金山町、昭和村、只見町、南会津町、檜枝岐村)からなる地域です。

越後山脈や奥羽山脈の山々に囲まれた奥会津は、大湿原、清流、ブナの原生林など豊かな自然に恵まれており、冬には積雪が3mを超えることもあります。地理的・気候的にやや閉鎖的な環境がゆえに、雄大な自然と人びとの暮らしが隣り合い、独自の文化が育まれてきました。

時が止まったような茅葺き屋根の古民家群、棚田と信仰の里に佇む道祖神、手つかずで残るブナの森など、人びとが等身大で自然を暮らしに取り込み共に生きてきた風景は、初めて見るのにどこか懐かしい思いを抱かせます。

豊かな自然の中で育まれた暮らしの知恵、食文化、伝説、祈りが息づく場所、それが奥会津です。

 

奥会津の3つの魅力

自然と人の暮らしが隣り合う奥会津。代表的な3つの魅力を紹介します。

  魅力1:知る人ぞ知る秘湯の宝庫

懐かしい原風景がいで湯を囲む奥会津は、知る人ぞ知る秘湯の宝庫です
ポカポカ温まると評判の金山町のシュワシュワ天然炭酸温泉や多くの動植物を育むブナの里に佇む深沢温泉、雄大な尾瀬の玄関口に湧く尾瀬檜枝岐温泉など、
個性豊かな温泉があちらこちらに湧いています。
一軒宿から公共の宿まで多彩な宿泊施設がありますので、何度も訪ねてお気に入りの温泉を探してみてはいかがでしょうか。

● 柳津温泉(柳津町):
福満虚空藏菩薩圓藏寺の境内から引く霊泉です。現在は門前町の宿坊が温泉街へ形を変え旅館になり、情緒豊かな街並みを形成しています。

● 西山温泉(柳津街):
開湯1300年の秘湯で、湯治宿の面影を色濃く残す温泉街です。只見川の支流、滝谷川沿いに位置する温泉郷で8つの源泉があります。
それぞれの湯を一巡りすると万病が治るとされ、古くから「神の隠れ湯」と言われています。

● 早戸温泉(三島町):
鶴が傷を癒した伝説の名湯「つるの湯」は開湯1200年を誇ります。
源泉かけ流し100%の天然薬湯温泉で、湯治場として親しまれてきました。
露天風呂は只見川が間近に迫り、まさに絶景です。

 

(写真出典:https://gokujo-aizu.com/okuaizu

● 金山町温泉(金山町):
多彩な源泉と豊富な湯量を誇る温泉地です。滝沢温泉、湯倉温泉、大塩温泉、玉梨温泉、八町温泉、中川温泉と秘湯めぐりが楽しめます。

● 昭和温泉(昭和村):
自然豊かな環境に囲まれた温泉で、山間の四季を楽しめます。湯量が豊富で源泉かけ流しです。

● 深沢温泉(只見町):
村人が大切に守り続けた、只見川沿いの名湯です。
泉質はナトリウム塩化物硫酸塩温泉で疲労回復に効果があります。

● 湯ノ花温泉・木賊温泉(南会津町):
趣深い温泉場が多数存在します。いにしえよりそこで暮らす人々が大切にしてきた共同浴場は、野趣にあふれ秘湯感たっぷり。
共同浴場や日帰り温泉の湯めぐりも楽しめます。

● 檜枝岐温泉:
川のせせらぎや鳥の声、風のささやき、冬の静けさ。自然に囲まれた尾瀬檜枝岐温泉は、四季折々、表情が変わる景色を存分に楽しめます。
泉質はアルカリ性単純泉と単純硫黄泉。旅館・民宿すべてに温泉が給湯されています。

(写真出典:https://gokujo-aizu.com/okuaizu

魅力2:地酒・蕎麦・伝統の郷土料理

山々に囲まれ、大小さまざまな河川が流れる奥会津は、良質の米が取れ良質の水が湧き出す酒造りに適した土地です。
会津の風土や環境、長年培われた酒造りの技術と会津人の頑固な気質が、奥会津の味わい深い地酒を醸し出します。

(写真出典:https://gokujo-aizu.com/okuaizu

また、夏でも冷涼できれいな水が豊富な奥会津ではそばの栽培が盛んです。
風味が豊かで良質な地元産のそば粉を使った蕎麦は、のどごしも香りも抜群。
奥会津では全域で打ちたての十割蕎麦が楽しめるだけでなく、金山町の「アザキ大根高遠そば」、檜枝岐村の「裁ちそば」「はっとう(※)」など、
郷土色豊かな伝統の食文化を体験できます。

※そば粉と米粉、またはもち米粉を練ってのばし、ひし形に切ってゆでたものです。江戸時代、米やそばなどを食べ過ぎないよう、粉食を禁止する動きがあり、
この際に本来なら「ご法度」であるそば粉や米粉を使って調理しこっそりと食べていたことから「はっとう」と言われるようになったとされています。
その昔、地方を治める殿様に出したところ、あまりのおいしさに「平民(村民)が食べるのは御法度」と言われたことから「はっとう」になったとする説もあります。

近年は、ひし形に切ったものを「ひしはっとう」、おからを加えたものを「おかはっとう」と呼ぶなど、バリエーションも豊かになっています。

  魅力3:伝統の技と祭り

伝統の技と祭りとの出会いも奥会津の旅の魅力です。

冬の仕事として受け継がれてきた奥会津編み組細工やからむし織などの緻密な手仕事には生活の知恵が詰まっており、老若男女が集い祈る祭りには地域の安寧と繁栄を願う思いが込められています。

● からむし織(昭和村):
昭和村は、苧麻(ちょま)と呼ばれる「からむし」を栽培し、それを原料としてからむし織を製造しています。すべてを人の手で行い、できあがった反物は軽くサラリとして肌触りが非常に良く、夏の最上級織物と称されています。

昭和村の中心に位置する「道の駅からむし織の里しょうわ」では、からむし織の実演や体験ができます。物産品を販売する織姫交流館と、からむし織の歴史や貴重な資料を展示するからむし工芸博物館、手打ち蕎麦や「ばんでい餅」などの郷土料理が味わえる郷土食伝承館苧麻庵があります。

(写真出典:https://gokujo-aizu.com/okuaizu

● 奥会津編み組細工(三島町):
手仕事「編み組細工」が受け継がれる三島町は日本有数の豪雪地帯。雪に閉ざされた人びとは雪解けを待ちながら生活道具のザルやカゴなどを編んできました。材料はヤマブドウやヒロロ、マタタビなど。自然の恵みを大切に使い手作業で作られた作品はどれも美しく、実用的で丈夫です。その技術は高く、国の伝統的工芸品に指定されています。

 

(写真出典:https://gokujo-aizu.com/okuaizu

● 会津田島祇園祭(南会津町):
福島県を代表する夏祭りで、820余年の伝統を誇る祭り。豪華絢爛な山車が練り歩き、多くの人々でにぎわいます。期間中に上演される屋台歌舞伎も見どころの一つです。京都祇園、中の津島(愛知)と並ぶ日本三大祇園祭の一つに数えられ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

 

(写真出典:南会津町観光物産協会

● 檜枝岐歌舞伎(檜枝岐村):
役者から裏方まで全て村民で創り上げる農村歌舞伎。江戸の時代より親から子、子から孫へと伝承されて連綿と続き、春と秋の祭りに奉納歌舞伎として檜枝岐の村人を楽しませてきました。上演される舞台は鎮守神の境内に有り、国の重要有形民俗文化財に指定されています。

(写真出典:おいでよ!南会津。

● 只見ふるさとの雪まつり(只見町):
町内各所に立ち並ぶ石像やキャンドルロードが暖かく幻想的な雰囲気を醸しだし、メイン会場では大雪像に圧倒される豪雪地帯ならではの祭りです。会場では伝統芸能や雪中神輿、郷土の味を楽しめます。真冬の夜空を彩るフィナーレの祈願花火は圧巻!

 

(写真出典:https://okuaizu.net

奥会津チルトリートプラン

チル(Chil)とは「まったり過ごす」こと、リトリート(Retreat)とは「心身を癒す滞在」です。

奥会津の一番の魅力である里山の暮らしによって育まれてきた「日常」。ゆったりとした時間軸のなかで「日常」の延長線にある非日常体験を楽しみ、四季の移ろいに心身を委ねられるのがチルトリートです。

チルトリートには3つのプログラムがあります。

 

1. 山間のプログラム

①広葉樹の森(森の遊び、森林業、林産物)

②奥会津の雪(雪国の遊び、豪雪地帯の暮らし、秘湯温泉、清流)

2. 谷間のプログラム

①伝統工芸(木地師、曲げわっぱ、染め物、鹿皮細工、つる細工)

②郷土食(雪国の郷土料理、食材加工、高原野菜)

3. 深山のウェルネスプログラム

①マインドフルネス(里山の生活音、清流と水の音、森林の癒し効果、雪原の静寂さ、星のふるさと)

②リラクゼーション(南会津産アロマオイルとアロマテラピー、森林浴とヨガ、ホースセラピー、サウナ)

「暮らし、知恵、時間」の非日常体験を実感できる2泊3日のチルトリートプラン例をご紹介します。

【奥会津でChill to Retreat!満喫!深緑が美しい夏の2泊3⽇プラン】

1日目:到着と散策。秘湯・民宿・星空

会津⽥島駅に到着。

まずはレンタル⾃転⾞で⾥⼭サイクリングと酒造巡り。

秘湯宿での夜ご飯は地のものをふんだんに使った郷⼟料理。イワナの刺⾝や⼭菜、雪国ならではの保存⾷を堪能。

奥会津は星のふるさと(故郷、降る⾥)流れ星や天の川、衛星の動きにしばし時間を忘れる。

2日目:伝統工芸・沢歩き

朝⾷前に集落をお散歩。野菜を収穫しているおばあちゃんと仲良くなり野菜と漬物を頂く。

伝統⼯芸のものづくり。南郷刺し⼦や⽊地師、編み細⼯など様々。
⾃分の時間に没⼊する時間。⼿仕事の⾯⽩さを堪能。

リフレッシュのためにシャワートレッキング。冷たくて透き通る沢を歩いて上流を⽬指す。
沢沿いにシートを敷いて瞑想の時間も。

3日目:集落のお手伝い・ローカル線で帰路へ

集落の⽅のお⼿伝い。⽥畑仕事や草刈り、薪割り、保存⾷づくりなど様々。
御礼に家庭料理を振る舞ってもらう。「また来なさい」とほっとする⼀⾔。

ローカル線ローカルバスとローカル電⾞を乗り継ぎながら帰路へ。

きらきらとした観光地にはない⼼の安らぎを体感。
次はもっと⻑くいたいな、冬にも来てみようかなと思い次の旅へ。

チルトリートプランで、奥会津の物語に身を委ねてみてはいかがでしょうか。

詳細はこちらから

奥会津へのアクセス

◆南会津町
◎浅草駅《東武鉄道「特急 リバティ会津」乗り換えなしで快適!約190分》→会津田島駅

◆昭和村
◎会津田島駅《生活バス 約50分》→昭和村

◆柳津町、三島町、金山町、只見町
◎東京駅《JR東北新幹線 約80分》→郡山駅《JR磐越西線(各停)約80分》→会津若松駅→JR只見線沿線

●下記記事も読まれています