最新グローバル調査で判明!2023年ウェルネスツーリズムトレンドと2024年予測

(画像出展:Freepik.com)

旅を通じて心身をリフレッシュし、健康的な生活を取り戻すウェルネスツーリズムが注目を集めています。

世界中で急成長しているといわれるウェルネスツーリズムを、消費者は実際どのように捉えているのでしょうか。

今回の記事では、2024年1月に発表されたグローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)の調査結果をもとに、ウェルネスツーリズムの2023年のトレンドを分析し、2024年の予測をしてみたいと思います。

●目次

調査結果で判明!
ウェルネスツーリズムの注目度&魅力的な体験ベスト6

世界規模でウェルネスを促進することを目的とした非営利団体「グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)」は、2024年1月24日に「2023年版のウェルビーイング・チェックイン」を発表しました。

パンデミック後のウェルビーイングへの意識や生活態度、ウェルネスツーリズムへの期待や要望について、世界の消費者を対象に実施した、最新の調査結果です。

この章では、「ウェルビーイング・チェックイン」で見えてきたウェルネスツーリズムに対する消費者トレンドを二つご紹介します。

 調査対象

 <性別> 女性(84%)・男性(15%)・それ以外(1%)
 <年齢> 18-34歳 (14%)・35-44歳 (26%)・44-54歳 (33%)・55歳以上(28%)
 <ライフステージ> 独身(35%)・パートナーがいる(65%)

◆ウェルネスツーリズムへの注目度

調査結果によると、回答者の半数以上がウェルネスツーリズムに関心を持っています。

56% → 旅行の際にウェルネスを意識し、積極的に下記にあるようなウェルネス体験を取り入れたいと思っている。
・エコフレンドリーな宿泊施設
・アウトドアアクティビティ
・デジタルデトックス
・ウェルネスを中心にした旅程 など

50% → ウェルネス休暇を取る理由は「ストレス解消」。
ウェルネス休暇を取る理由トップ3
・ストレス解消のため 50%
・心身の健康のリフレッシュやリセットのため 38%
・精神的な健康と幸福感を求めて 36%

75% → ウェルビーイングを目的として、ウェルネス体験を組み込んだ休暇を計画している。

◆最も魅力的なウェルネスツーリズム体験トップ6

回答者にどんなウェルネスツーリズムが魅力的か聞いてみたところ、次の6つがトップに挙げられました。

 1. アクティブネイチャー 55%
 2. スパ 49%
 3. マインドフルネスと瞑想 39%
 4. 地元での文化体験 35%
 5. ホリスティック・ウェルネス療法 32%
 6. ヨガ・ピラティス 29%

ウェルネストラベラーにとって、自然体験はエネルギーを充電したりインスピレーションを得たり、自分と周りの世界とのより深いつながりを育んだりするための強力なツールです。

森を探検したり、山でハイキングしたり、海辺でリラックスしたりと、自然に囲まれることは、精神的、感情的、身体的な健康に多くの利点があると、グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)は分析しています。

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2023年のウェルネスツーリズムトレンド
~自然、つながり、持続性~

ウェルネスツーリズム産業が急成長しているのには理由があります。

パンデミックを経て、人々はかつてないほど心身の健康を重視し、ウェルネスの実現には旅行が有効だという認識が広まってきたためです。

この成長の原動力にはどのようなものがあるのでしょうか。

2023年のウェルネスツーリズムを形作った5つの主要トレンドを探ってみましょう。

1. 自然の癒しへの回帰

「2023年版のウェルビーイング・チェックイン」の結果にも表れていますが、自然とのつながりを取り戻せる体験ができるデスティネーションに人気が集まっています。特にミネラルを豊富に含んだ天然温泉がウェルネス・デスティネーションとして復活しつつあります。

2. ホリスティック・ウェルネス

ウェルネスツーリズムの目的は、肉体的な癒しだけではありません。消費者は今、精神的、感情的にも満たされる、よりホリスティックなアプローチを求めています。これは、ヨガや瞑想のような身体的アクティビティとマインドフルネスの実践やストレス解消法を組み合わせたウェルネス・リトリートの人気の高まりに反映されています。

3. 内側から自分を変える体験

ウェルネスツーリズムはもはや単なるリラクゼーションではありません。人々は旅のなかで自分の人生に影響を与える体験を求めています。ウェルネスツーリズムのプログラムには、デトックス体験や文化への没入からボランティア活動まで、あらゆるものが含まれます。

4. 地域社会とのつながり

ウェルネスツーリズムでは、人とのつながりを築くことも重要視されています。消費者は、地元のコミュニティや文化と深くかかわる機会を求めています。これには、旅先で地元の人と行うボランティア活動や、地域への帰属意識を感じられる伝統的な文化活動への参加などが含まれます。

5. 環境に配慮した持続可能な旅

消費者は持続可能な旅を求めて、環境に優しい旅行先やリゾートを選ぶようになってきています。地元産食材の使用からCO2排出の削減まで、ウェルネスツーリズム産業は、環境への影響をより意識する必要があります。

2023年のウェルネスツーリズムを推し進めたのは、単なる休暇ではなく、自然のなかで活力を取り戻し、つながりを感じ、心身ともにリチャージされた気分になれる体験。自分だけではなく、環境にも優しい旅です。

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2024年のウェルネスツーリズムはどうなる?

グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)は、ウェルネスツーリズム産業が毎年16.6%成長し、2027年には1兆4,000億ドルに達すると予測しています。

旅行業界は常に進化しており、ウェルネスツーリズムはその最前線にあります。

2024年のウェルネスツーリズムはどのように進化するのでしょうか。業界のレポートやニュースを参考に、いくつかのエキサイティングなトレンドを予測をしてみました。

1. 超パーソナライゼーション

ウェルネス業界のリーダーたちは、今後もパーソナライゼーションが重視されると予測しています。旅行者は一般的なウェルネス・パッケージでは満足せず、特定のニーズや目標に合わせた体験を求めるようになるでしょう。

科学とテクノロジーを駆使して健康を最適化する「バイオハック」のコンセプトは、2024年に中心的な役割を担うポテンシャルを秘めています。ウェアラブル・テクノロジーを使ったアクティビティや、それぞれの旅行者の心身の状態にあわせたスパ・トリートメントプログラムを提供するウェルネス・リトリートなど、超パーソナライズされたカスタムメイドの旅に人気が集まる可能性があります。

2. スリーブ・サンクチュアリ

睡眠不足による疲労は世界的な問題になりつつあり、旅行者は休息を優先しています。ウェルネスツーリズム協会は、健康的な睡眠パターンを促進するためのプログラムが受けられるウェルネスリトリートの人気が急上昇すると予測しています。

日の出と同期した遮光カーテン、デジタル・デトックス、無重力マッサージや安眠アロマセラピーなど、睡眠改善に特化したトリートメントが増えるでしょう。

3. 長寿ツーリズム

より長く健康的な生活を送るというコンセプトは、年々勢いを増しています。

長寿で知られる地域「ブルーゾーン」に着想を得たウェルネス・デスティネーションが人気を集める可能性があります。長寿を支える健康的な料理のワークショップ、ストレス管理法、長寿を促進する運動など、ブルーゾーンの原則に基づいたプログラムを提供するリトリートが期待されます。

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以上、2024年のウェルネスツーリズムのエキサイティングな未来を予測しました。

業界の革新が進むにつれて、今日のウェルネス旅行者の進化するニーズに応える、変化に富んだ体験がさらに増えることが期待されます。

さあ、荷物をまとめて、2024年のウェルネスアドベンチャーに出かけましょう!

◆参照メディア

Global Wellness Institute (GWI):https://globalwellnessinstitute.org/
World Tourism Organization (UNWTO):https://www.unwto.org/
Wellness Tourism Association:https://wellnesstourismassociation.org/
Spa & Wellness Magazine:https://spaandwellness.com.au/
Wellbeing Magazine:https://wellbeingmagazine.com/

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