白川郷と共存した森をとことん楽しむ【トヨタ白川郷自然學校】

～キャッチフレーズは「Wild and Smile 天気が良い日は外へ出よう」～

旅癒（たびぃゆ）編集部

2023年03月07日インタビュー

岐阜県白川村にあるトヨタ白川郷自然學校は、東京ドームの約37倍という広大な敷地にあり、大人も子供も楽しめる多様なアクティビティを体験できる宿泊施設です。

今回はトヨタ白川郷自然學校・企画営業部マネージャーの黒坂氏に、施設の魅力を存分にお話しいただきました。

●目次

トヨタ白川郷自然學校の誕生秘話

トヨタ白川郷自然學校の特徴

トヨタ白川郷自然學校のおすすめアクティビティ

トヨタ白川郷自然學校の特典

トヨタ白川郷自然學校の情報

　■今回お話をうかがった方

　■編集後記

●トヨタ白川郷自然學校の誕生秘話

－この施設が誕生した経緯を教えてください。

　トヨタ白川郷自然學校が位置する白川村馬狩地区には、以前から合掌造りの集落があり、人々の暮らしがありました。しかしながら高度経済成長期とともに豪雪地帯での厳しい暮らしや交通の不便さにより、人が少しずつ離れ、1973年には集団離村がありました。その後、土地をトヨタが取得し、夏場を中心に従業員の保養施設として活用していたのですが、1981年の豪雪の影響により、管理者が暮らしていた合掌家屋１棟を除き、倒壊してしまいました。

　それから20年近く未利用のままだったのですが、白川村からこの土地を何とか活用できないかという話と、さらに1997年の京都議定書採択などをきっかけとした社会の環境問題意識の高まりもあって、トヨタと環境NGOが連携し、環境教育施設の構想が出てきたという話を聞いております。また、この時ちょうどトヨタでは世界初のハイブリット量産車プリウスを発売するタイミングだったこともあり、2005年の愛・地球博に合わせてこのトヨタ白川郷自然學校を開校しようという計画が立てられました。「広く一般の方々に開放して、環境意識を高めてもらいたい」という想いが込められています。

　現在、当自然学校は地元自治体（白川村）・企業（トヨタ）・環境NGOの三者協働により設立されたNPO法人白川郷自然共生フォーラムが、トヨタ自動車からの業務委託により運営しております。そして、トヨタ自動車が2050年に向けて定めた「TOYOTA ENVIRONMENTAL CHALLENGE2050」の中のCHALLENGE６「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」に位置付けられています。

●トヨタ白川郷自然學校の特徴

－この施設の特徴を教えてください。

世界遺産・白川郷合掌集落から車で10分程のところに位置しており、広く豊かな森林に囲まれ、空気も水もおいしい恵まれた自然環境が自慢です。

特徴は２つあります。１つ目は、子どもから大人まで誰もが利用できる「宿泊型体験施設」だということです。私たちは、「自然体験(アウトドア)とは、子ども達には
人間教育の場として、また大人たちには癒やしと活力を与える場として同時に実現できる所」だと考えています。子どもキャンプでは多様な仲間との生活体験や活動を通して思いやりの心や最後までやり抜く力を育みます。大人は宿泊、おいしい食事、温泉、森の散策という自然學校での滞在だけでも心の癒やしや健康につながると考えております。

2つ目は、専任のインタープリターが多様な自然体験アクティビティを提供しているという事。雄大な自然のすべてが私たちのフィールドなので、この豊かな自然を活かした四季折々のアクティビティを楽しめるのが魅力です。また、ハンモックや森のブランコなど、スタッフ手づくりの仕掛けがある「どんぐるみの森」があり、ここでは宿泊者だけでなく、誰もが自由に森で遊ぶことができるようになっています。

キャッチフレーズは「Wild and Smile　天気が良い日は外へ出よう」です。

●トヨタ白川郷自然學校のおすすめアクティビティ

－体験できるアクティビティの数がかなりあるそうですが、いくつか教えていただけますでしょうか。

季節によって異なるのですが、春は山菜採りとアウトドアクッキングがおすすめです。毎年ＧＷ頃は残雪と桜、青空のコントラストがとても美しく、そんな風景を眺めながら仲間と共に山菜を収穫し、天ぷらにしたり、ピザのトッピングにしたりして食べるのは最高です。この森では、コシアブラやタラの芽、ウド等、色々な山菜が収穫できます。

夏のナイトハイクでは、人工的な灯りが少ない夜の森を歩き、満天の星空やホタルなどを家族や仲間と共に楽しんでいただけます。夜の森で静かに耳を澄ましていると、時折、フクロウやコノハズクなどの声が聞こえたりして自然と心が癒やされます。

秋は紅葉が素晴らしいです。美しい森をスタッフと一緒に歩くガイドウォークでは、森の動物たちの暮らしぶりや白川郷の先人の知恵などをご紹介しております。野生動物たちや白川村の先人たちへ想いを馳せる時間となることでしょう。

他にも、渓流で自らイワナを捕まえて捌いて焼いて食べたり、合掌家屋の中の囲炉裏で雰囲気を楽しんだり、日本三大霊山の白山登山など、季節折々の多様なアクティビティをご用意しております。

－白川郷は日本屈指の豪雪地帯ですが、冬のおすすめにはどのような活動がありますか？

年によりますが、雪が多いときは3ｍ近くまで降り積もりますので、やはり雪遊びですね。小学生以上のお子様の場合は雪の壁のぼりがおすすめです。こちらからは何も言わず、自分たちで考えて登ってもらうようにしています。想像以上に高いので、なかなか面白いと思います。試行錯誤してなんとか登りきった後は、子どもたちは達成感でいっぱいです。

また、雪上活動をカテゴリーで分けると大きく３つあります。
「歩く」、「創る」、「滑る」です。

歩く活動のメインは、雪の上を歩くスノーシューハイクですね。新雪のときはフワフワな状態なので、歩くだけで気持ちが良いです。一晩で１ｍ近く積もった翌朝のスノーシューハイクでは、雪をかき分け泳ぐようにして進みます（笑）。また雪は音を吸収するので、ふと立ち止まってみると本当に静かで皆さん感動されます。
夜は月明りが雪に反射して非常に美しいです。

創る活動では、雪像やかまくら、スノーアーチ、そして雪のブロックを積み上げたイグルー等が楽しいですね。雪でつくった灯篭にキャンドルを入れて灯りをともせば、幻想的な冬の夜の森をお楽しみいただけます。

滑る活動ではスノースライダーがあります。天然の地形を生かしたコースで、数種類のソリを使って滑る大人気のアクティビティです。

－自然学校というだけあって子ども向けのプログラムも充実しているように思いますが、具体的にはどのような内容になりますか？

そうですね。夏休みは子どもを対象にしたプログラムも多数あります。例えば、エメラルドグリーンの白水湖でラフトボート体験、昆虫採集、さらには親から離れて仲間と共に過ごす２週間キャンプなど、子ども達が森でたくましくなる活動をご用意しております。この長期キャンプでは森や山、川や湖などの白川郷の多様な自然環境の中、子どもたちが自分たちで活動内容を考え、様々なことにチャレンジします。森や川に出かけ、キノコや木の実、魚などの食材を調達したり、シェフと一緒に野外調理に挑戦したり、山に登ったり、テントで森に一人で泊まったり。また毎日の食事に関しても、最初の３日間以外は献立や当番も子どもたち自身で決めてやりますので、子ども達の成長へとつながります。朝・昼・夜の食事づくりをしていると、大変さも理解して日々の生活への感謝の気持ちが育まれます。

－企業様向けのワーケーションプランについても教えてください。

様々な企業の皆さまにご利用いただいております。運動・栄養・休養を意識し、ワークとアクティビティのバランスがとれた２泊３日のワーケーションプランなどもございます。また、新人研修や中間管理職向けのリーダーシップ研修など、目的に応じた企業研修もオーダーで承っており、内容は企業様の目的に応じてアレンジしております。中にはチームビルディングを目的に、登山を行なった企業様もおりました。

この自然学校では世界遺産と大自然に囲まれたフィールドを活かし、心が豊かになるような体験をご用意しておりますので、様々な方々にお越しいただけたらと思っております。