滞在中の癒やし体験を日常に持ち帰れる宿
【EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート】

~EM(小さな微生物)が作り出す発酵空間で、体がじっくりと変わっていく体験を~

沖縄県中部にある北中城村の小高い丘の上に立つホテル「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」は、衣食住にEM技術(※)を活用した
「暮らしの発酵」が体験できる、国内でも珍しい個性的な特徴を持ったホテルです。

「発酵=よりよくすること」をモットーに、お客様のよりよい健康的な暮らし、そして地球環境の保全に貢献できるサステナブルなホテルとして、
新たなリゾートスタイルを提案しています。

今回は代表取締役社長兼総支配人の西渕氏に「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」の誕生秘話や魅力についてお聞きしました。

※EMとは、光合成細菌・発酵型の乳酸菌・酵母など、自然界に存在する、人にも環境にも優しい善玉菌の集合体のこと。農地や水環境の改善に威力を発揮します。

●目次

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート 誕生秘話

こちらのホテルはどのような理念のもとに生まれたのでしょうか。

この建物のオーナー会社はEM研究機構という会社で、微生物の研究開発をしています。私も農学部の出身で、微生物技術の研究や普及に携わっていました。

この微生物研究機関がウェルネスとどのようにつながったのか、不思議に思われる方も多いと思います。

ウェルネスの定義はいろいろありますが、ウェルネスを提唱された琉球大学の荒川雅志先生は「病気にならないライフスタイルを基盤にしながら、自分らしい人生を切り開いていくことがウェルネスだ」と仰っています。我々の会社の経営理念もこれに合致します。

例えば、病気にならないためには食事が大切ですよね。微生物が豊かな土は元気で、そこで育つ農作物は体の細胞が喜ぶ栄養あふれるものになります。農薬や化学肥料の心配もありません。私たちの会社は土をきれいに組成したり水を浄化したりしていますが、発酵や微生物の力を使えば、家庭でもオーガニックでケミカルフリーな生活ができる、病気の人がどんどん増えている現在の社会を構造的に変えることができる、という事業の理念を持っています。そのため、衣食住が全部揃っているホテルをEM技術の展示場と捉え、ウェルネスを体験してもらえるセンターのようなものを作ろうとホテル事業に参入したんです。

2021年にホテル名を「コスタビスタ沖縄ホテル&スパ」から「暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」に変えられましたね。

創業以来、EM技術を活用して病気を予防するということを理念に掲げてきましたが、「ライフタイルの在り方をウェルネスに変えていく」ということをホテル滞在中に体験してもらうだけではなく、日常に持ち帰ってもらいたいという想いを強く打ち出すために、リブランディングして名前を変えました。

ウェルネスという言葉は2005年のオープン当時から名称(EM ウェルネスセンターホテルコスタビスタ沖縄)の中に入っていたのですが、新しい名称には、ホテルでウェルネスなライフスタイルを体験したあと、それを持ち帰っていただいて、日常の生活を豊かにするところまでかかわりたい、という想いが込められています。そして、発酵・微生物の技術はそのままだと難しく感じるので、「発酵を取り入れるとあなたの暮らしがより豊かになりますよ」という意味で「暮らしの発酵」というブランドを立ち上げ、この言葉をそのままホテル名に盛り込みました。名前が長いと社内外から散々言われたのですが、これ以上引き算は無理なので押し切ったんです(笑)

ホテルの建物にも理念が反映されているとお聞きしましたが。

この建物、50年以上の歴史があるんですよ。

1972年に沖縄ヒルトンとしてオープンし、その後シェラトンになって20年間ぐらい営業していたのですが、いったん廃業して。それからは10年以上使われず、巨大な幽霊ホテルとして週刊誌やテレビをにぎわせていたこともありました。それを2003年にEM研究機構が取得してホテルとしての再生が始まったんです。

解体して立て直したほうが安く済むと言われたのですが、本館は米軍統治時代に建てられた最後の本格的な建造物で、沖縄にとっては文化財的な存在でした。そんな意義を持つこのホテルを、取り壊すのではなく、蘇らせたい。その想いで、建物全体の洗浄やコンクリート、道路の舗装や造園などありとあらゆるところにEM技術を駆使して改修。その結果、ホテル全体が素晴らしい癒しの発酵空間へと生まれ変わりました。

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート こだわりポイント

ホテルの衣食住にEM(微生物技術)を活用しているとのことですが、EM技術について、少し詳しく教えていただけますか。

EMというのは簡単にいうと、菌を使って土の微生物や水の微生物を元気にする技術です。

私たちの生活環境は微生物に囲まれています。そして、生活の中で私たちが健康かそうじゃないか、植物が元気に育つか育たないか、水がきれいか汚いかというのは、全部微生物がどのような状態になっているかで決まっています。人体については、脳の機能やメンタルの状態はすべて腸内細菌によって左右されているということが、最近はわかってきています。

EMは、もともと自然界の中にいる菌の中でも農地や水環境の改善にチカラを発揮する光合成細菌や、乳酸菌、酵母などが共生した集合体です。このEMの中に含まれる善玉菌とそれらが作り出した有用な成分は、土や水の中の良い菌たちを活性化します。善玉菌が優勢になることで人や生き物がイキイキする環境が作り出されるんです。

実際にホテルでどのようにEM技術が使われているのでしょうか。

毎日の掃除には、乳酸菌や酵母を活性化した発酵液を水で薄めたものを使っています。微生物が発酵すると、天然の汚れや臭いを消してくれる成分が増えるんですね。
このEM発酵液を使って掃除すると、ケミカルフリーで良い微生物に囲まれている環境ができます。このように化学物質の心配がなく、良い菌に囲まれて身体にもいい
状態を、我々は発酵空間と呼んでいます。

食事においては、EM栽培のオーガニック食材と「発酵」食を組み合わせて、ココロとカラダが喜ぶご飯を追求しています。自社農場で採れる新鮮な野菜と発酵ドレッシングの「サラダバー」、EM栽培米のおかゆを豊富なトッピングで楽しめる「発酵粥コーナー」などが人気です。ホテルから出る生ごみは自社農場で発酵させ堆肥に活用するなど、資源を循環させる取り組みも行っています。

衣類に関しては、クリーニングに特徴があります。館内着やシーツなどのクリーニングは、業者さんに依頼して、合成洗剤や漂白剤、柔軟剤を使用せずに、環境に優しい石けんと自然由来のEM発酵液で洗ってもらっています。化学物質に敏感な方にも「このホテルならぐっすり眠れる」と言っていただけて、長期滞在されているお客様もいらっしゃいます。

ホテルが「ウェルネス」に取り組むというとタラソテラピーなどのトリートメントやヨガを取り入れることが多いのですが、「化学物質が少なくていい微生物に囲まれた状態」が我々の考えるウェルネスです。

うんちくはともかく、「なんだか居心地がいい」「ぐっすり眠れた」「ご飯がおいしい」「肌の調子が良くなった」という体験を当ホテル滞在中にしていただきたい。
そのために、食事、衣類、住環境、すべてがこの健康的な状態になるように徹底しています。

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾートのおすすめプラン

ご宿泊のおすすめプランを教えてください

「ヒーリング+バケーション」という新しい旅を「ヒーリケーション」という名前で提案しています。

1泊2日で観光して翌朝すぐに出発されるような慌ただしい旅ではなく、3泊4日でゆったりと健やかに自分のカラダと向き合って体のリズムを整えていただく、
新しいウェルネスな旅のカタチです。

体と心が喜ぶごはん、全身を心地良い熱で包み込む大浴場、自然の中にいるように心地良い空間と深い眠りを通して、お客様に自分を大切にする時間、癒やしの時間を取ってもらい、体調の変化を感じていただければと思います。

滞在中のおすすめのアクティビティなどがありましたらお願いします

暮らしの知恵をお持ち帰りできるワークショップですね。

ホテル滞在中に体験していただいた発酵の力を活用した癒しを、滞在後にも続けていただきたい。ご自身やご家族、そして周りの人たちの暮らしを健康的でよりよいものにしていく知恵(暮らしの発酵)をホテル滞在中に学んでいただく場を提供しています。

「食」に関するワークショップでは、みそ・甘酒・塩麹・醤油麹などの発酵食品づくりが学べます。無農薬やオーガニックの食材、無添加調味料を使って、「自分でつくること」の楽しさを体験していただきたいです。

また、日々や旅の疲れをリフレッシュできるよう、お部屋で動画を見ながらヨガができるようQRコードを設置しています。睡眠の質をアップさせる夜ヨガ、心身の目覚めを促す朝ヨガをお部屋でお楽しみいただけます。

さきほど自社農場があるとおっしゃっていましたよね。

ホテルから車で10分のところに、ホテル直営農場サンシャインファームがあります。毎週土曜日に「土曜朝市」と銘打ってこの農場を開放しており、野菜の収穫や販売、朝いちばんに採卵した平飼い卵などを販売しております。どなたでもご参加可能です。

「今日はこの畑の茄子とピーマンを収穫していいですよ、1個50円ですよ」と、その日に収穫していい野菜の値段表を作っているので、自分でハサミを入れて食べたいものを収穫する体験ができます。また、卵はその日に産み落とされたものを1個から買えるのですが、お子さんに取っていただけるように、鶏を三羽くらい入れただけの小さい鶏舎を用意しています。鶏舎に入って蓋を開けると卵が産まれていて、それを自分の手で取る、お子さんだけでなく大人も楽しめる体験だと思います。

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾートの限定特典

オススメの限定特典やイベント情報などがあれば、ご紹介させていただきます。

◆世界遺産でウェルネスヨガ

琉球王国時代の記憶を今に伝える世界遺産・中城城址。世界遺産のパワーと大地・天・海からのエネルギーを深い呼吸と流れるような動きで全身に取り込み、ダイナミックさと爽快感を味わえるヨガです。
 

◆みそ作りワークショップ

約2年間毎月開催しているみそ作りワークショップはすぐに満席になるほど今でも人気が高いワークショップです。自分や家族で作るみそは胃酸にも負けないといわれるほど、スーパー発酵食品になります。

◆「瞑想リトリートステイ」※期間限定

心も身体も脳もフル稼働で毎日を過ごしていると、知らず識らずのうちにストレスや疲れが溜まってしまいます。そんな時に必要なのがリトリートです。

見慣れた環境の中では、心の底からリラックスできません。日常生活から切り離された場所に足を運び、自分を癒すためだけに過ごしましょう。
瞑想リトリートでは、心身を整える3つの瞑想とワークショップで心と体のとリフレッシュを促します。


■ 写経:一字一字書き写していくごとに雑念が払われ、心を落ち着つかせる時間が味わえます。
■ 座禅:首里観音堂の住職さんの元で姿勢を正して座り、精神を統一させることで自分と向き合う体験をします。
■ 瞑想ヨガ:意識を外部から遮断して、無心になり自分自身の内側に全集中する体験をします。
■ お香作り:自宅での瞑想の際やリラックスに利用できるお香を自分で作れます。

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾートの公式情報

ホテル名:EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート

住所:〒901-2311 沖縄県中頭郡北中城村喜舎場1478番地

TEL:(098)-935-1500  FAX:(098)-935-1600

アクセス:
【車】
那覇空港より沖縄自動車道経由、約40分 (北中城 [きたなかぐすく] ICから約10分)

【タクシー】
那覇空港より約40分/7,000円

【高速バス】
那覇空港より高速バス(111番/117番)にて喜捨場バス停下車。またはライカム行き高速バス(152番)にてイオンモール沖縄ライカム下車。その後タクシーでお越しください。

■今回お話をうかがった方

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート 代表取締役社長兼総支配人
西渕泰(にしぶち・やすし)氏

1977年生まれ、宮城県出身。
高校在学中に琉球大学の比嘉照夫教授の著書「地球を救う大変革」に出合い、琉球大学への進学を決意。
1966年  琉球大学農学部入学
2002年  琉球大学農学研究科修士課程修了
同年    株式会社EM研究機構入社、盛岡事務所、淡路島の農場プロジェクト、海外部、東北の復興プロジェクトなどさまざまな仕事を経験
2013年  株式会社EM研究機構沖縄本社勤務、ホテル事業担当執行役員、EM研究機構取締役
2019年より現職。

編集後記

実際に現地まで取材に行き、帰る頃にはこちらのホテルの虜になっていました。丘の上に建っているのでそれはもう素晴らしい眺めでしたし、周りを気にせずリラックスできる個室スパも居心地がよさそうで、ため息の嵐でした。ただ、その中でも一番印象深かったのが、記事内にも出てくる”発酵空間”がとても気持ちよかったんです。どんな感じかと言われると伝えるのが難しいのですが、アロマやハーブとはまた違う心地よい香りに、何度も深呼吸をしたくなる空気。お話を聞きながら、座っているだけでくつろげる空間でした。

他にも、日々の暮らしをより健康的でより楽しいものにするためのこだわりアイテムをセレクトした、オリジナルストアもオススメです。衣食住のトータルで健康生活を提案してくれているので、見ていると日々の暮らしにも取り入れたくなります(私はオーガニックハーブ&スパイスを使用した手作りデトックスコーラを買ってしまいました。飲み物を少しこだわるだけで、心身ともにデトックスできたような気がします)。

あれこれ話し出すと止まらなくなってしまうので、最後に。ホテルへ訪れた際はハーブ園に隣接している芝生コーナーにも行ってみてください。裸足になれるスペースがあります。いつもハイヒールを履いている私からしてみると、裸足で大地を踏みしめたのが久しぶりすぎて感動してしまいました。ちょっとはしゃいでしまった程。今でも芝生のふかふかした柔らかさが忘れられません。

都会の喧騒を離れ、自分自身の身体と向き合いたい方にぜひ行っていただきたいホテルです。

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